身体にまで不調が出始めて、こんなのもう嫌だ。上京してもまだ逃れられないなんて

思春期以来ずっと自分のことを考えていたけれど、親の何が嫌だったのか、それはこの母親の繰り返した言葉ふたつだと大人になった今わかった。
「人間は一生努力し続けなければならない、見返りは求めるな」と、「98点？なんで1問間違えるのよ、それが無ければ100点なのに、今回は頑張っていなかったのね」。

努力で何かを成せば際限なく高くなっていくハードル。
ハードルを倒せば努力は無かったことになり怒鳴られるのに、乗り越えてもその見返りは全く無いのだという。しかもその苦しみは一生だと教えられた。
たった一言でも認めて貰えたら違ったかもしれないけど、いつしかハードルが乗り越えられなくなって、毎晩怒鳴られて部屋の私物を全て捨てられた時に、私は自分に絶望してしまったんだと思う。
成功しても、ただ次のハードルが上がっていくだけなのだと思ったら、何も頑張れなくなった。頑張れない自分は最悪だと毎日死ぬことを考えていた。

ハードルが乗り越えられない私が悪いのでなかったと、親元から逃げ出して数年、ようやく気づけた。
暴力を受けていなくても、親に嫌われていなくても、普通の家庭でも、アダルトチルドレンは生まれ得ることがわかって本当によかった。

それでもまだ親には怖くて「No」が上手に言えないし、親は私の勇気を「屁理屈」って言って受け取ってくれないから。
私の勇気をからかって、親戚中に騒ぎ立てるような人間だから、ただひたすらに早く私の前から消えてくれることを願う。
とにかく早く死んで。金だけ残して。死神さんお願いします。あの人にもう会いたくない。最近はあの人から連絡が来る度に泣いて、吐いている。ストレスで生理不順になった。身体にまで不調が出始めて、こんなのもう嫌だ。上京してもまだ逃れられないなんて。

それでも、お母さん、私はあなたの異常さに気づきましたよ。それだけでも、逃げ出した価値はあったよ。