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ついに旦那と離婚することになりました。
なんであんな男と結婚したんだろう。結婚前に私があいつと別れようとした時にどこで聞きつけたんだか知らないけど大手企業に勤めてるから絶対に別れるなと毎日電話してきた人がいたよね。
今回だって私がもう限界だから別れると言っているのを無視して、私の我慢が足りないだの馬鹿だの散々言ってくれた人がいたよね。
そうだよ、あんたのことだよ。もはや母親とも思えないからあんたでいいよ。
思えばあんたは昔っからそうだったよね。小学校の時に私が習いたいっていった水泳もなんの役にも立たないからって即駄目。そのくせやりたくもないピアノ教室には無理やり押し込んでくれたよね。
あれってうちの子はピアノが弾けるお嬢様だって自慢しかったらしいじゃん。ピアノ弾けたらお嬢様ってどこの世界を生きていたの?あたまおかしいんじゃないの?
当然私は自分の意思で来たわけじゃなかったから上達しないで先生には毎回怒られる。その報告を受けてあんたは私を叱りつける。なんでちゃんとやらないんだって。やりたくないって言ったらあの時も我慢が足りないって言っていたね。
当時はまだ子供だったし母親の言うことは絶対だって信じていたから泣きながら通ったけどさ。
こんなこともあったよね。中学の受験をしたいって私が言った時、絶太に許さないって言ってベランダに締め出してくれたよね。あれは意味が分んなかったよ。だってまだ理由も説明する前だったんだから。
そのあとで女は勉強が出来たって仕方ないとか戦前かって言いたくなる理由をつけてくれたっけ。お金がないから無理って言ってくれた方がよっぽど清々しかったよ。自分が勉強できないからそこそこ成績がいい私に嫉妬してたんでしょ?最近だけどお父さんにそう言われたよ。もう呆れたね。
結局近所の公立に行ったけどひどい学校だったね。あの底辺校に行きたくないから受験したかったっていうのもあったのにさ。いじめも受けたし散々な中学時代だったよ。ちなみにいじめのきっかけはあんたが私に無理やり持たせていた小汚い手提げバックのせいだから。拒否することを許されてなかったけどね。
あんたはそのあともことごとく私の考えを否定してきた。どっちかっていうともう否定することが目的になっていたから言ってることが滅茶苦茶だったよ。さすがに中学生になったあたりからはあんたが普通じゃないことには気が付いたけどね。
でもお金があんたを通さないと出てこない以上は従うしかない。そんな状態を黙認していたお父さんにもそういった意味では恨んでるけどね。
結局高校になってもバイト禁止であんたの監視下からは抜けられなかった。隠れて短期のバイトはしたけどほとんど稼げなかった。しかもあんたは鼻が効くからすぐに気が付いて強引に辞めさせる。
でもさすがに私が援交してたのは気づかなかったでしょ?バイト禁止の割りにはまともなお小遣いももらえないしもうやるしかなかったよ。本気で辛くてすぐやめたけどさ。私かなり苦しんで落ち込んでたはずだよ。娘のそういう変化にはまったく気が付かないんだね。
あんたのお望み通りの大学を卒業して、あんたがあまり望まない会社に就職できた時は嬉しかった。あんたは地元の会社に行かせたかったらしいけど私は全部面接でわざと落ちそうな行動ばっかり取ってたよ。
県外に支店が多い会社に就職したかったからね。配属先がどう考えても家から通えないところになった時には飛び跳ねて喜んだね。ようやくあんたから離れられると思ったから。
あんたは私の就職後も毎回電話して来たり、口実みつけては家に来てあれこれ命令して来たけどもう完全無視してやったよ。経済的に独立した以上あんたに従う必要はない。
それなのに私はあの男と別れるのをあんたに反対されて、思いとどまってしまった。自分でもなんでかわからない。きっと小さいころから抵抗できないように教育されてきた影響なんだろうね。
でもそんな日々もおしまい。あの男と離婚できたついでにあんたとも縁を切る。私は私の意思で自分の人生を歩むんだよ。あんなに奪われた自由を得るんだ。今は最高の気分さ。
この手紙を読んでなにか反論があるかもだけど手紙を書いても読まないし、これからどこに行くかも言わないよ。会社も辞めるからこっちに探しに来ても無駄だよ。
あんたが死んだら葬式ぐらいは出てあげるからその時は連絡頂戴。死んだら連絡できないか。じゃあもう一生会うことはないね。さようなら。
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